先のことと今のこと

『今できる正しいことをするだけ』

大好きなFrozen2で主人公アナが歌うこの言葉を大切にしている。

「不安」はつまり、わからないことが怖くて、不安になる。でも、”先のこと”なんて常に変化してしまうし、確かなことは”先”にはない。それはこの感染症禍が教えてくれた。

気がついたら、想定していた”先”さえ自分以外の要因で、かんたんに消え去ってしまうんだって、決定的にしてしまった。

目的地に旗を立てて、そうしたらそこに意識が行くから、必要な行動が取れる。

そう教わっていたから、必死で目的地を探した。私は何をするべきなんだろう。3年後の私は何をしているべき？5年後の私はどんな人間になるべき？

目的地はどんなに探しても見当たらなくて、イライラしていた時にもらったアドバイスは

「えりちゃんはね、目的地が決まったら逆算して作戦を立てちゃう時点で、シミュレーションしたことに満足して終わっちゃうの。だからね、目的地はない方がワクワクするタイプだよ」

周囲が目的地を設定して、そこに向けてしっかりと合理的な戦略を持って挑む世界だったから、そうであるべきだと、必死になっていた。

そりゃあそうだ、お商人の家の子だ。達成すべき売り上げと、そのための戦略。アクションプラン。でもそれは先が見えていてワクワクしないから好きじゃないらしかった。

それ以来だろうか、少しずつ時間をかけて、先のことは考えないようになれた。

たとえば、恋愛。今誰かを好きでいるのは将来その人と幸せになるためではなくて、今その人が好きなだけ。

おとこのこ紹介するよーと言われても、写真とか、プレゼンを聞いてもあんまり興味が湧かなくて、断る。

（というか、そのお相手にとって大きなお世話では？）

好きな人がいるんですよー。と返す。

でも、大抵のお世話好きの人たちは一生懸命親切しようとして、でもその人と先があるわけじゃないんでしょって言う。

先がなくったって、好きなんだから別にいいんだよ。

私がその人を好きなのは、いつか私を幸せにしてくれるって期待とか、保証とか、見返りが望めるからじゃない。ただその人を素敵だなって思うから。

「片思い、辛くないの？」

今は辛くなくなったのだ。勝手に期待したり、勝手に責任を押し付けたりしないから。この恋は実っても実らなくても、今私が心の中に相手への愛情をもっていることが、心地よいことだから。自己完結できる。

これがいつか、別に人を好きになれたらそれでいいし、誰のことを好きじゃなくなっても、このことに気が済んでいたら、それでいいのだ。

人によってはこういうのを、時間の無駄だと捉える。

たしかに、私は今恋人がいなくて、肉体は約30年の経年劣化が進んでいて、こどもを持ちたいなら行動すべきなんだろう。

でも、私の人生にこどもって必要なんだろうか。

ほしいか、ほしくないかは、相手のいない今はなんにも思い当たらない。

じゃあどんなに考えたって答えは出ない。相手がいないんだもの。

わかったのは、私はどうやら「自分のこどもをもつ」ということは、”相手”ありきのことらしいということ。

たぶん、必要なんだとしたら、自然とこどもを持つ流れが来るだろう。

「いざほしいと思っても、ダメだったら？」

そのときは、そのことに苦悩するとしたら、苦悩するべきことなんだろう。

スピリチュアルこじらせてるみたいにみえるなあ。（実際そうなんだろう）

でも本当に今は、多くのことにそう感じてる。

起きる出来事は、どんなに苦しいことも、うれしいことも、振り返って初めて意味が生まれるんだから、振り返れるように、前にちょっとずつでも進む他ない。

それは今の自分を承認するための言葉でもあるし、いわゆる”先のこと”を考えた時のための言葉になる。

今やったことは、明日には過去の積み重ねの一つになる。それがきっと素晴らしい”先”を築く礎になる。

くじけそうな時は、何度でも自分に言い聞かせるし、後ろ支えとなってくれる経験も、言葉もいっぱいもらってきたんだと、思い返して噛みしめる。

そして、どうしてもくじかれてしまいそうな時は、私は占いで未来予測を見てみる。でもこれはちょっとズルだと思っている。

だからなのか、いまだに占いで具体的な未来予測をするものは抵抗があるので、あんまりやらない。むしろ避ける。

それは多分、「先が見えてたらつまんねーじゃん」と言って、目的地設定をすることが嫌いな私の性質の持つ、嫌悪なんだろう。

それでも、たまたま友人ヒーラーとのお遊びでうっかり未来の要素を知ったとしたら、それは”いま知るべきこと。インプットしておくべきこと”なんだ。

その時のベストをつくす。

私は今日も神様がきっと進むべき方向に、進路調整をしてくれてると信じている。その代わり私自身は、どんな道でも前に進めるように、心構えをしてヒビノタンレンを欠かさないでおく。

Photo by Ricardo Rocha on Unsplash