乙女座新月「次の季節へむけて」



今回の新月について書きたい気分になったので、今までのともちょっと違うことを。


 自分の身の回りには頑張りすぎる人が多い。いや、世の多くの人は頑張っているから、その中でも相手の期待に応えたり、身を削っていたり、そうして体や心を壊してしまって、打ち明けてくれる人がいる。それは、私も同じだから。人間似た者同士で磁石のように吸い寄せられていく。

 とっても優しい人たちで、ゆっくり話をするとたくさん共感がある。たまたまタイミングがその人より先だっただけで、現象が違っただけで、同じような経験をして、同じように傷ついて、そうしてやり過ごしたり乗り越えられたりしたから、その話をする。いつか、きついことも終わりが来る話を。自分一人では、どう想像力を働かせても、暗闇がうえから覆いかぶさってしまっていて何も見えないから、わからなくていい、知っておいてと。

 私はかつて信頼する人にアドバイスされた言葉を、実感を持って繰り返します。

「あなたが満たされてから、溢れた分を人に、世界に与えてね」


今回の新月は乙女座。乙女座は私の中では真面目メガネっ子の委員長キャラ。彼女は物事をよく理解して、あるべきところに戻し、あるべきかたちへと整えていく。それを手助けしてくれるのは天王星とカイロンのようです。

天王星は革命的で、白いんだけれどどこか青っぽい緑のような輝きを放つ、近未来の存在。カイロンはいわゆる神話のケイロン。たくさんのことを知っている賢い存在で、医師の側面もありました。だからなのかケイロンが特別な電気メスを使って、不思議なレーザーで悪くなったものを切除してくれるような気がしたのです。

そんなイメージをもったまま、小川のそばに腰掛けて考えていました。

私は何を切除していくのかと。

お医者さんの知識は全くありませんが、たとえどんなに悪性の腫瘍であったとしても、それを切取るためには、その細胞ひとつひとつがどんな性質を持っていて、どんな影響を周囲に与えているのかを理解した上で、外科医はメスを握るのでしょう。

それと同じで、不要なものを取り除くと一言にいっても、今までどんな影響を持っていたのかを知らなくてはいけません。きっとそれは、今までの自分には必要なことだったはずです。不本意であったとしても。そうして観察します。今の自分にはその影響は必要か、そうでないか。

きっとここに注いでいるエネルギーもあるはず。だったらもし、これを取り除いたらどうなるか。他にエネルギーを回してあげられるだろう。

なにかの流れを堰き止めていたとしたら、きっとあるべきところへ流れが巡り始めるだろう。

そうしたらきっと、元々持っていた輝かせるべき部分に養分が巡って、光を自然と放つんだろう。その自然光が、本当の意味で人のためになるんじゃないか。

病気だと、一見あっという間に取り除かれるけれど、それは長い永い時間をかけてたくさんの人が研究をしてきた成果だ。何が起きているのか、何が起こるのか。その問題が起こしていくものを予測できたり、理解できたりする。

自分の内側にあるものも同じなのだから、時間がかかるかもしれなくても、じっくりと観察して、理解して、そうして次のアクションを選ぶ。取り除くべきか、箱に入れて置いておくのか。置いておくのは、蔵の中か、家の中か。手放すのか、見ないふりをするのか。


 昼間の気温は夏と変わらない気がするけれど、すこし乾いた風が吹いていて、空の色も雲の形も、虫たちや植物の様子もすっかり秋になっていました。秋はどこか時間が穏やかで、春とも違って静かな気がします。みな収穫や、夏の片付けや冬支度で黙々と作業をしているのかもしれません。でも静まり返っているわけではないから、心地よいサウンドで包まれる心地がするのです。

 きっとそんな穏やかな秋の日ならば、私たちは自分の中から何をどこに仕舞って、時にはインテリアのように飾れるようにしたり、蔵に片付けたり。そして手元から手放すことを、しっかりとただしい識別を行えるのだと思うのです。


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